サリー☆のブログ!!

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御伽話のようなファンタジー「凪良ゆう/天水桃綺譚」

こちらはデビュー前の作品を加筆・修正したものなんですね。とてもそんな風に思えないほど完成された作品だと思います。

桃農家の亨が見つけた、金色の芳しい桃。それは、天から落ちた桃の精だった。金髪の美しい少年に変じモモと名付けられた彼は、天真爛漫に下界での暮らしを楽しむ。ぎこちなくも不器用な優しさで見守る亨と、純真なモモはやがて想いを寄り添わせていくが、それは許されぬ恋だった―。その後のふたりに加え、白虎さまに恋慕する、未熟な桃の精・コモモの切ない恋物語も書き下ろし。

 

カップルのお話が入っています。

まずは亨(桃農家)×モモ(天から落ちてきた桃)です。

時は昭和、戦後間もない頃のお話になります。

 

妻に逃げられた亨は無愛想ですが、丹精を込めて桃を作っていました。

そこに天から落ちてきたという少年が現れます。

亨は不思議な少年にモモと名付け一緒に暮らす事になります。

だんだんと無邪気なモモに惹かれていく亨、モモも同じ気持ちとわかり結ばれます。

白虎様が酔っ払い誤って落としてしまったモモを探しにやってきます、天の桃であるモモと人間の亨は結ばれることはありません、モモは白虎様に天に連れ戻されます。

それから50年、亨は妻もとらず子も作らずひたすら桃を作って過ごしました。自分の後継者である親戚の子供に畑を譲り亡くなります。

 

もうここまで読んで涙が止まりませんでした。あんまりだと思っていたらちゃんとハッピーエンドです、安心して下さい。

亨は天に召されます、モモと契った時にもうすでに人間ではなくなっていたそうです。

二人は天で白虎様の桃を作りながら幸せにくらしましたとさ。

 

いや~良かった。私は悲恋は嫌いです、途中どんなに辛いことがあっても最後がハッピーならそれでよし☆

 

次は、白虎様×モモの弟コモモのお話です。

コモモはモモと同じ木になった桃ですが、モモは亨を思い涙を流し続けていたわけですね(50年ほど)そのせいで同じ木になってるコモモは栄養不足でなかなか熟しませんでした。

未熟なコモモですが、モモと同じく健気です。

白虎様に叶わぬ思いを抱いていますが、実は両思いです(笑)白虎様がなかなかのツンデレです。しかもヤキモチ焼きです。

意地を張り、コモモにひどい言葉を投げつけますが、素直なコモモはその言葉を信じてしまってすれ違う。

これも最後は涙涙です。もう本当ヒヤヒヤしましたよ!ちゃんとハッピーエンドです。

しかも子供まで作ってしまうという・・・・桃には雌雄がないそうですが、モモもコモモも両性具有だったのかな? ふわっとしたエッチシーンしかなかったのでよくわかりませんね。

ちなみに白虎様は浮気者ですが、コモモが眠っている間(こちらは60年ほど)ひたすら尽くしています、切ない~涙なしじゃ読めないよ!

結構な執着攻めです、でもコモモが元気になったらこっそり浮気しちゃうんですが・・・・しょうが無い、神だから(笑)

 

カップルとも素敵なお話で大好きですが、どちらかというとコモモカップルの方が好きかもしれません。続きが読みたいです。

モカップルはもう完全に出来上がってて波乱も何も起きそうにないです、亨の包容力半端ないです。

 

エッチシーンもほぼないみたいな感じ(ふわっとしてます)なのでBL初心者にも手に取りやすいと思います。
泣きたいけどハッピーエンドじゃなきゃ嫌って方にピッタリです!

 

挿絵も雰囲気にあってて素敵です。私のおすすめ度は★★★★☆です。