サリー☆のブログ!!

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光の螺旋シリーズruinのスピンオフ「六青みつみ/一枚の絵」

 リンクスロマンス(幻冬舎コミックス)さんから出ている「光の螺旋シリーズruin」のスピンオフです。これだけでも大丈夫です。しかもこれだけなぜか白泉社さんから出てます。そして単行本、お値段お高めです。

ごみ屑同然に差別されている身で、流民のエリヤは金に困り、行きずりの男に身を売った。乱暴にされ行き倒れたところを、類稀なる美貌の貴公子ライオネルに救われる。生まれて初めて優しくされて、エリヤは彼に秘めた想いを抱くが、やがて屋敷の人間に男娼行為を暴露され、ライオネルにその汚れた素性を知られてしまうのだった。自分の気持ちすら迷惑なだけと知って絶望のあまり逃げ出し、さまようエリヤ。そして愛は、深淵の狭間に落ちてゆく…。

 

エリヤ(13歳)は街の最下層に住む滅亡したフェルス聖王国から逃がれてきたフェルス難民で厄の民と呼ばれて忌避され、蔑まれる身の上です。この時点でもう不憫。自分ではどうしようもない差別が蔓延しています。

 

崩れかけた育児施設の片隅でイーサ(7歳)とキルナ(5歳)と肩を寄せ合い暮らしています。血は繋がってませんが、同じ孤児として弟と妹のように思っています。

2人にご飯を食べさせるために体を売ったこともあります。不憫・・・。

 

2度目に体を売った時、酷く乱暴に扱われてボロボロになったエリヤは馬車に轢かれそうになりますが、その馬車に乗っていたのが新しい領主ライオネルでした。

ライオネルは1度エリヤに会ったことがあります、その時に靴を買ってあげたのですが、自分の弟と同じくらいの歳の子が苦労しているのを見て心を痛めていました。

エリヤを屋敷に連れて帰り、手厚く看病しますが、それが気に入らないのがライオネルの親友で彼に思いを寄せているカレス(光の螺旋ruinの受け)です。

 

弟妹はライオネルが施設に入れてくれて、しばらく屋敷に厄介になるエリヤですが、居場所がない・・・・。

ライオネルはどうしてもお坊ちゃんなので、志はあるけどちょっと配慮が足りない。
屋敷に滞在しているエリヤがライオネルのいない時に虐められてても気付かない。人を疑わないというか、基本善人なんでしょうね。

 

エリヤは綺麗で優しいライオネルに恋をしますが、カレスによって男娼だとばらされてしまいます。
それでも庇ってくれたライオネルですが、エリヤが自分に好意を寄せていると知り、弟と妹がいる施設の紹介状を渡します。

しかし施設にはエリヤを養う余裕はなく、1年働けば戸籍が手に入るという過酷な鉱山労働に志願します。
そこは不法採掘場で想像以上に過酷で、ついにエリヤは病に倒れてしまいます。同じ病の人達と一緒に隔離され、死をまつだけです。病人の世話をしながら壁に絵を描き始めます。

 

不憫のオンパレードです。涙で文字が読めない・・・(><)

エリヤが卑屈のほど自分を卑下するんですが、まだ13歳で言葉の暴力や虐待されてきたらそうなっても仕方ない。

 

その間手を尽くしてエリヤの捜索を行っていたライオネル、やっと消息が分かり駆けつけます。

ライオネルが見たのは壁に描かれた自分の姿と、宝物のようにボロボロの靴を抱きしめたまま倒れているエリヤでした。

 

死んだかと思いましたよ!

大丈夫です、生きてます!!

 

病身のエリヤを療養の為に転地させ、3年半もの間離れ離れで過ごし、手紙のやり取りだけが2人を繋ぐ手段でした。

再開してから3ヶ月、エリヤは18歳になっています。そしてついに2人は結ばれます。感無量。最後は明らかにライオネルの方が愛情過多気味で良かったです。

 

いろんなレビュー見てると先にruinは読まない方がいいみたいですね、時系列もこちらが先です。一応そちらの方も積読してるんですがそろそろ読もうかなって思ってます。私はこちらを先に読んだので物語に浸れましたが、向こうを先に読んでたら違った感想だったかもしれません。

 

私のおすすめ度は★★★★☆です。